PC用エコスイッチの製作
(待機電力をゼロにしよう)

パソコンって、「PCの消費電力」で計測したように待機電力が大きいですよね。
最近の家電製品は待機電力1W以下なのがほとんどなのに、PCの省電力対策って遅れています。(動作時はかなり省電力化が進んでいますが・・) 待機時に数Wも食っているのは、+5VSBラインに常時電力を供給しているためです。
これは、Wake-On-LanやPCIデバイスのために必要なのですが、この機能を使わなければ、はっきり言ってコンセントから抜いたほうが世の中の為ですよね。

1日8時間程度パソコンを使う例で言うと、1日16時間は待機電力を消費しています。
待機電力を5Wとすると、1日あたり16(H)×0.005(KW)=0.08(KW・H)
1年だと、0.08(KW・H)×365=29.2(KW・H)
これは電気代に換算すると、およそ700円の浪費です。
最近では、個別スイッチがついたテーブルタップとかも売っているので、これを使えば省エネになりますが、テーブルタップのスイッチを入れて、かつパソコンのスイッチを入れるのって面倒じゃありませんか? (少なくとも、面倒くさがりな私には重荷です)
こそで不精な私は、通常時完全OFF状態で、スイッチ一発でPCを起動できないか・・、思いついた回路を試作しましたので、紹介させていただきます。


図1.エコスイッチブロック図
図1.にて、スイッチを入れるとリレーがONになりPCへ通電して、数秒後PCのパワースイッチ(マザーボード上のPWR-BTN)をONにしてPCを起動します。
PCが起動すればスイッチをOFFにしても、電流検出でリレー自己保持させたままにします。
PCをシャットダウンして電流が流れなくなれば、電流検出回路がリレーをOFFにして、PCへの電力供給をカットします。


図2.回路図
当初、ラッチングリレーを使う予定でしたが、ラッチングを切る場合もコイルに電流を流さなくてはなりません。
すると、PCの電流感知のため、何がしかの回路に電力を供給しつづけなければならない為、今回の趣旨に反します。(コンデンサにチャージしておいて、その電力を使うという方法も考えられますが・・)
そこで、今回はPhoto-MOSリレー+メカニカルリレー(AC100V用)という組み合わせで自己保持を実現しました。
SSRにすれば?と、言う意見もありますが、MagicEyeでは2A以上のSSRを持っていないので・・
ここで、Photo-MOSリレーを駆動するための電力をどうするか、という問題に突き当たります。
単純に抵抗を接続して、LED駆動用に2Vほどの電圧降下を起こさせると、100VAの負荷の時、抵抗で2Wも消費されます。(かなりの発熱)
幸い、電力ラインはACなので、カレントトランスが使えそうなので、その2次側の電力で直接Photo-MOSリレーのLEDを駆動するという暴挙に出ました。

● カレントトランスの製作

図3.ET-23の絶縁テープを剥がして0.8PEWを10回ほど巻いた 図4.さらに上から紙テープ(塗装用マスキングテープ)で保護

表1.1次側巻数・負荷と2次側(CT基準)電力の関係(ST-23の場合)
負荷 1次側巻数
5回 10回
開放電圧 ショート電流 開放電圧 ショート電流
40W白熱灯 3.17V 1.54mA 5.06V 3.08mA
60W白熱灯 - - 6.26V 4.62mA
しかし、適当なカレントトランスが見つかりません。(しかも高価!)
よって、カレントトランスを自作することにしました。
釘とエナメル線で電磁石を作って、その上からさらに太いPEWを巻いたりしたのですが、目的の2Vが出ません。
ジャンク箱を漁っていたら、中学生のころ買ったインプットトランスST-21が見つかったので、鉄心とコイルの隙間に0.8のPEWを10回ほど巻いたら2次側に2Vほど(閉回路で4mAほど)出たので、 これはいける!と思い、共立電子でET-23(おそらくST-23互換のmade in China?)を買って作ってみました。
(なぜST-23にしたかと言うと、巻数比が1:1なので、もし2次側だけで電力が足らない場合、1次側とCT全波整流を組みやすいため)
もっと鉄心とコイルの隙間があれば分解しないですんだのですが・・。
こんなので、大丈夫か?と思うかも知れませんが、とりあえず0.4A以上でPhoto-Mosリレーが駆動できればいいし、絶縁もPhoto-MOSリレーが担うので、あまり気にする必要もありません。
Athlon64 X2 3800の場合、60W程度(電源力率が80%程度なので、皮相電力80VA)なので、10回にしました。(すごいアバウト)

● 遅延パルス発生部分

とりあえず、HC123のワンショット機能を利用。
マザーボードのPWR-BTNへは、フォトカプラで絶縁。そのためマザーボードのPWR-BTNの極性をあわす必要があります。(通常はマニュアルに書いてある)

● ロジック電源

なるべく、本回路も待機電力ゼロにしたいので、リレーを駆動した時の電流(5mAほど)を横取りします。
ツェナーとダイオードで半波整流+定電圧化を兼用し、フォトカプラを駆動した時の電圧降下で、HC123が誤動作しないように2系統のDCを得ています。

とりあえず、図2の回路で試作して実験しました。

図5.完成した試作基板 図6.PCに取り付けて実験してみました

なんとか動作しました。)^o^(
使い方はいたって簡単で、プッシュSW(今回はPCの電源SW)を押すと、リレーが「カチッ」と鳴るので、しばらくしてPCの電源が入るまで押しつづけます。
この時間は、R2で調整します。回路図では330Kになっていますが、実際は150~200Kくらいがいいと思います。
ちなみに、PCの電源が入る前に手を離したら、リレーがOFFに戻ってしまいます。
シャットダウンも正常です。但し、PCの消費電力が約10W以下になるとリレーの自己保持が解除されるので、S3のサスペンドは禁止しておきます。

ただ、PCの電源を落としたら、即効でリレーもOFFになるので、ちょっと心臓に悪いかも
C3(2.2uF)の値をもっと大きくすれば、PCをシャットダウンしてからしばらくしてリレーもOFFになると思います。 このままで使用するのは大変危険なので、いずれケースを買って収納する予定です。
起動ボタンには100Vが直接来ているので、ケースのSWへ配線するのはまずいですね。この辺も改良してみます